上御霊祭りの設え(松風楼)
そして、5月18日の稽古日は上御霊(かみごりょう)祭りの設(しつら)えにするのが習いになっています。表千家の氏神様は上御霊神社で、祭礼が5月1日から18日まで行われ、この期間表千家の大門両脇には独楽(こま)紋の祭提灯が吊られます。
稽古日、松風楼の床には牛王宝印(ごおうほういん)の護符を貼った掛物が掛けられます。この札は上御霊神社から下符された厄除けのお札で、京都でも余り見かけなくなりましたが、家元では受け継がれています。惺斎好の庭内の松で作った松ノ木卓の上に、右の神折敷(かみおしき)には旦入(たんにゅう)の徳利にお神酒を入れ大奉書を巻き差し、左の神折敷には丸餅数個と削った鰹節を入れます。若手の玄関が大奉書を巻いていくのですが、左右対称に丸めていくのはなかなか難しく、徳利にお神酒を入れすぎると奉書が吸って折れてしまう事があります。また鰹節も乾燥させた硬い鰹を、削り器で削るのですが、慣れていないのでよい形に削るのに四苦八苦します。これらの用意も玄関の大事な仕事の一つなのです。