御所人形は、江戸時代に宮中でその品格と愛らしさを賞頑され、四季折々の節句の御祝いやご結婚、ご出産など、さまざまなご慶事の際に飾られた幼子の人形です。その最大の特徴は、頭が大きく三等身であることと透き通るような白い肌です。
昔は、その体形から頭大人形、三つ割人形などと呼ばれ、またその肌の白さから白肉人形、白菊人形などとも呼ばれていました。
また、宮中を訪れる人のお土産として、あるいは位官授与などに際し参内した大名などへの御下賜品としてこの人形が使われたことから、お土産人形、拝領人形などと呼ばれることもありました。
これほどまでに多くの名称を持っている人形も珍しいのですが、宮中や公家、門跡寺院など京都の御所にゆかりの深い人々の間で愛された人形であることから、明治時代になって御所人形という名称が使われるようになったといわれています。
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