表千家3代の
元伯宗旦(げんぱくそうたん)が、寛永20年(1643)9月24日付で、息子の
江岑宗左(こうしんそうさ)に宛てた手紙のなかで述べた言葉です。表千家には、宗旦がおもに江岑宗左に宛てた手紙が240通あまり残されていて、それらは「元伯宗旦文書(げんぱくそうたんもんじょ)」と称されています。
宗旦は手紙にさまざまなことを記していますが、この部分は、宗旦が茶の湯の美意識について語った言葉として受けとめられるのではないでしょうか。
「口切の茶は三畳敷がよい」というのは、茶の湯の正月ともいわれるおめでたい口切の茶は、狭すぎず広すぎない三畳敷がふさわしいと考えたのでしょう。宗旦は床なしの一畳半や四畳半の茶室もつくっていますが、口切の茶は三畳敷でおこなうことが宗旦の茶の湯の主張であったように思われます。