元伯宗旦が、寛永11年(1634)1月10日付で、江岑宗左に宛てた手紙に見えることばです。宗旦は自らの茶の湯について、瓢(ふくべ)の花入や立鼓(りゅうご)の花入を用いていると語っています。
瓢の花入には、瓢の上の部分を切り落とした形のものや、上の部分に窓を開けて生け口をつくったものなどがあります。利休作と伝えられる瓢の花入も現存していて、よく知られているものには「顔回(がんかい)」や「
一笑(いっしょう)」という銘のものがあります。
宗旦作の瓢花入としては、「達磨」と銘の付いたものが残されています(北村美術館所蔵)。宗旦が手紙に記した瓢の花入が、この「達磨」のようなものであったかどうかはわかりませんが、その可能性はあるでしょう。
瓢は秋になると収穫され、その形や大きさによってさまざまな日常の容器となるもっとも庶民的な材料です。その瓢の庶民的な姿にわびの心をこめたところに、利休や宗旦の創意がありました。