【大意】
私が路次(露地)の掃除をして、門まで掃いています。
寛永10年(1633)10月17日付で、元伯宗旦が江岑宗左に宛てた手紙に見えることばです。手紙には、「こん一人しかいないので、私が露地を掃除して門まで掃き、午前3時頃には水を汲み、茶の湯の用意をすることはいつもと変わりありません」と記されています。
「こん」一人しか手伝いがいないので、宗旦自ら掃除をしていると書いていますが、ほかの手紙には「一人して路次、暁より茶湯はたらき候」「路地まてわれわれはき」などとあり、宗旦は、露地の掃除もまた茶の湯の大切な準備として、決して人任せにしなかったことがうかがえます。