表門の外内に、石畳が続く。茶家の入口としては、格調高い風情を醸し出しているのは、やはりこの門構えとの調和なのか。
表側は氷紋目地(ひもんめじ)になった舗石(しきいし)。表門左のくぐりより中に入ると、御影石(みかげいし)の切石の延段(石畳)とその両脇には化粧砂利(けしょうじゃり)が敷き詰められた空間が眼前に広がる。
格式のある佇まいの表門に引けを取らず、整然と敷かれた玄関先への石畳。しかも一切の装飾もなく、構成されている。
この正面には、茶席の露地を隔てる高い土塀と樫を高く刈り込んだ生垣を見ることができる。生け垣の上は、大空への空間があるのみで一切の建物は目にしない。 これこそ、非日常世界への第一歩であろう。
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