茶の湯に特化した菓子ではなく、一般家庭で茶菓子として親しまれている菓子にもおもしろいものがあります。茶事の懐石の後の濃茶の菓子ではありませんが、粽とともに端午の節句に不可欠で、季節感にあふれていて、家元でも毎日の奥のお茶に使われる趣の深い菓子です。これも街角に点在する「餅屋」の店頭にならびます。茶の湯の菓子を扱う「上菓子屋」ではなく、「餅屋」とよばれる駄菓子店の多くが近年廃業することが多く、淋しさを覚えます。
かしわの葉は、新しい葉が出るまで、古い葉が残ることから、家系が絶えなく家門繁栄を願って使われます。江戸で普及し、参勤交代で全国に波及したといいます。
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