利休忌に利休さんにお供えするのが、黄色のおぼろ饅頭であります。
茶の湯に用いられる菓子の多くは薯蕷饅頭で山芋を加えて風味と柔らかな質感を出しています。 このおぼろ饅頭は、ふくらし粉を入れて柔らかさを出しています。御所出入りの菓子商ではなく、一般の餅菓子屋でもみられる饅頭はこれで、正月や入学式に生徒に配られるのもこの饅頭です。蒸し立ての時は、少し厚みのある皮の外側を薄皮が覆っています。非常に剥がれやすく、少しでもくっつくと見苦しくなってしまいます。そこで、外の薄皮を丹念に取り去ったのが、このおぼろ饅頭です。手間のかかっている分、独特の趣のある饅頭であります。
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