「烟火戯」
えんかぎ

明の著述家、瞿佑(くゆう)の詩。 怪談集『剪燈新話(せんとうしんわ)』の著者として知られる。その中の「牡丹燈記」は翻案され「牡丹灯籠」として有名。
天空に、星屑のように散り、稲光のように輝く打ち上げ花火に興じてると、いつの間にか夜が更けてゆき、人が去った欄干にもたれ、一人で余韻を楽しむばかりとなった。


天花無数月中開  五色祥雲繞烽台
墜地忽驚星彩散  飛空頻作雨声来
怒撞玉斗翻晴雪  勇踏金輪起迅雷
更漏已深人漸散  欄干挑得彩燈回

てんかむすう げっちゅうにひらき
ごしょくのしょううん ほうだいをめぐる
ちにおち たちまち
    せいさいのさんずるにおどろき
そらをとび しきりに うせいをなしきたる
いかりて ぎょくとをつきて
    せいせつをひるがえし
いさんで きんりんをふみて じんらいをおこす
こうろうすでにふけて ひとようやくさんず
らんかんに さいとうをかかげえて めぐらす

表千家不審菴 閉じる