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イギリスでは日本人の平均的な茶の消費量に比べると約4倍の茶が消費されています。それほど茶が好きなイギリス人は独自の紅茶文化をつくりあげました。中国からの輸入に頼らず独自の茶の生産地をインドにまず確保しました。その代表がアッサムダージリンです。ダージリンの花の香りに似た優雅な茶は、霧深い標高1500メートルに達する谷あいでつくられます。また、芳醇な味わいと美しい茶の色を呈するアッサムの茶は、強い日差しのもとでこんにちも丁寧に手でつまれています。そのほかセイロンあるいはアフリカのケニアなどでも、イギリスの影響のもとに紅茶が大量に生産されています。イギリスのアフタヌーン・ティーとよばれる習慣は、昼食と遅い夕食との間の間食の意味もあります。ポットで入れられた紅茶にあわせて、スコーンやホイップクリームあるいはサンドイッチなどを食べながら、ひとときの会話を楽しむのがイギリスの習慣です。人によってミルクを入れあるいは砂糖を加えて茶を飲みますが、そのほかレモンを入れて飲むアメリカ風の紅茶もあります。
ヨーロッパの周辺には、近代になって急速に紅茶文化をつくりあげたトルコもあります。トルコの紅茶の歴史は、まだ100年に足りませんが、その消費量は日本の緑茶をはるかに超えています。地中海沿岸のアフリカではひろく
ミントティーが飲まれます。緑茶にミントの葉と砂糖をたっぷり加えて煮出した茶は、強烈な香りと甘みで人々を魅了します。あるいはロシアンティーとよばれるロシア風の茶は紅茶の中にジャムを加えることもあります。

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Japanese Tea Culture

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