軸飾
それが終わると、全員残月亭に席入りします。宗匠方御家族に続き、玄関が年功の順に座ったところで、お家元が新年最初の濃茶を点てられます。雨戸を閉め切った茶室は暗く、釜の鳴りと、和蝋燭の炎が揺らめく中、大福茶のみに使われる白竹の茶筅で点前が進められます。宗匠方御家族、玄関が茶を飲み終わると、
最後にお家元が自服の茶を飲まれます。お家元自ら点てられたお茶を先に玄関が頂き、最後にお家元が飲まれるのは、考え深いものがあります。三器の拝見も済むと、全ての雨戸を開け、この時お家元は床の前に進んで、軸飾にしてあった「少庵召出状」と「香箱の文」を隔年で掛けられます。雪の新年ともなると朝の光が反射し、寒い中に清々しさを感じ、いかにも新年を迎えた気持ちになります。