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今年の而妙会全国大会は、根津美術館にお願いして、同館秘蔵の名品を茶室弘仁亭に特別に展示していただくことになりました。
美術館内の展示場ではなく、茶室にあって、名画、名器を目のあたりにし、茶碗を手にとって味わうことができる場を提供していただけることになりました。
まず床の間ですが、中国宋代の画僧牧谿筆の水墨画中の傑作、国宝の「漁村夕照図」と、その前に重要文化財の「砧青磁筍花生」を取合わせて拝見します。
私が「漁村夕照図」をはじめて拝見したのは50年以上前ですが、中国の水墨画の何とも言えない見事な自然描写に感動して以来、いつも憧れてきた作品で、これを茶室の床にかけて皆様に鑑賞していただきたかったのです。
青磁の花生も、日本伝世の筍形花生中の白眉といえるもので、青磁釉の美しさと均整のとれた姿をよく見ていただきたいと思います。
この絵と青磁の筍花生の出会いは、きっと皆さんに深い感動をもたらすものと確信しています。というよりも、私自身がながい間夢みてきた情景なのです。
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