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そして、私自身はと申しますと、表千家の当代お家元とはもちろん旧知の間柄でございまして、幾度となくお軸の合作をさせていただいております。お家元は賛を、私は画を担当いたしまして、一例をあげますと、桜に「満目春風」、たんぽぽに「春風」、お稲荷さんに「神光」など、折々目にする身の回りの何気ないものや心惹かれるものを、まずは私が画を描き、次にお家元が揮毫されます。私たちの美意識が交わるところが、このお軸といえるでしょうか。いずれも思い入れのある、私の宝物でございます。
普段、これらのお軸をお目に掛ける機会は、そう多くはございませんが、ごくたまに、私どものいけばな展の折、池坊の家元花席にこの合作のお軸をかけ、私の花とともに披露することがございます。ただ、ふと思いついてしつらえる場合が多いので、事前に告知するわけではなく、キャプションを見て、表千家のお家元との合作だとわかる・・・というような状況で披露しています。そんなことですので、気が付かれた方、特に表千家の門弟さんは、思わぬところでお家元の花押を目にするわけですから、非常に驚かれているようです。

 
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