柿傳のこと
柿傳は創業を享保5年(1720)としている。
屋号は、柿屋傳右衛門の略称で、代々の当主は明治維新まで、家を継ぐと同時に傳右衛門を襲名してきた。時には、禁裏の御料を調製し、京料理の正統を今日まで伝えてきた古い家柄である。
7代目豊次郎の著書『茶料理』のあとがきには、先々代惺斎宗匠の指導によって本格的に茶懐石を専門にするようにあったとあるが、代々三井家の専属にちかい料理人であったことから表千家とのつながりも古くからあったことと思われる。
(表千家北山会館 定期講演会「講師紹介」より)

著書
『伝承 茶懐石』鎌倉書房
『柿傳 茶懐石 炉編・風炉編』河原書店がある。