正月を迎えるにあたり、雪がちらちらと舞うなか、覚々斎が家族と共に家元の不審菴の庭で餅つきをしている光景をよんだ句であると思われます。覚々斎の家族には、母の宗寿、妻のあき、長男の宗員(幼名は与太郎、如心斎宗左)、二男の政之介(竺叟宗乾)、三男の十一郎(一燈宗室)、娘の千代がいました。この家族にくわえ、家元の手伝いをしている人や出入りの人など、皆で餅つきをしたのでしょう。
「むしやう」は「無常」(むじょう)と解しました。それは人の命や世の中は儚いといった無常観です。しかし、正月はそうした観念も捨てて、無事に新たな年を迎えられたことを祝う、ということでしょう。
覚々斎にとって家族と一緒に迎える新年は、とても心休まるひと時であったことが髣髴(ほうふつ)とされます。
覚々斎は俳諧をよくしましたが、この画賛には、世の無常を感じつつも新しい年に御代の太平を祝い、家族の弥栄を願う情景が表れているのではないでしょうか。
|
 |
 |
 |
|
|