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即中斎筆 風鈴絵賛 涼風
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入道雲の隙間より太陽の光が天孫降臨(てんそんこうりん)の様に射し込み、青と白が空と大地を支配する8月。1日は「八月朔日」の略称から八朔とよばれ、学問・芸能の師弟間、出入りの主家との間等で夏の御挨拶として挨拶におもむきます。祇園でも芸妓さん達が師匠やお茶屋さんに挨拶廻りをされる事でご存じの方もいるでしょう。家元でも十職の方がこの日は色紋付に羽織にて来菴。毎月の職家とは違った引き締まる雰囲気の中で行われます。この八朔では主茶碗が決まっており、宗入作の「海ハラ」と「青海波」が隔年で出されます。お茶を松風楼で頂いた後、席を改め新席に於いて祝いの膳が家元より職家さん達に振る舞われます。 表千家は代々紀州家に仕えてまいりました。その為武家行事の多くが取り入れられております。現代の八朔は、家康公が江戸城に入城した日に合わせて江戸時代に制定されたようです。市中でも江戸城の習慣から挨拶や贈り物を行う日として定着しました。八朔は本来旧暦の台風が多い頃、そして稲が開花・結実する季節と重なります。その為、田の神に無事の収穫を祈願すると共にお供えを行います。「田の実の節句」とも言われ、「田の実」が転じ「頼み」となり、早稲(わせ)の初穂を日頃お世話になっている主家に贈ってまいりました。
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