竹虫図. (伝)趙昌筆 東京国立博物館蔵 Image: TNM Image Archives
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「菓子」の本字は「果子」で木の実のことです。字の示すように、果物を意味しておりました。
『山上宗二記』は茶の湯に使う道具をランク付けして表記しています。その記述順序は当時最も重く扱われた茶壺に始まり、掛物では、圓悟の墨蹟等がならび、その次に現れるのが菓子の絵であります。菓子の絵として二幅あげており、これを茶の湯の絵の頂上といいます。次に来るのは花の絵であり、次に八景などの風景、そして動物へと続きます。「菓子の絵」は織田信長の時代に滅失したといいます。趙昌(ちょうしょう)筆と伝えられる花の絵は、『山上宗二記』の二幅以外にも数多く存在したといいます。東京国立博物館所蔵の伝趙昌筆の「竹虫図」もその一つです。
『松屋会記』には天文11年(1542)4月7日に菓子の絵の様子が画かれています。特に挿図については、信憑性に乏しいのですが、現存する外の伝趙昌の絵のように彩色豊かであったと想像されます。
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