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吹上菊 |
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貴船菊(別名 秋明菊) |
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「名残り」という美しい響きを持った王朝時代からの言葉があります。惜別の情を表した言葉でもありましょう。茶の湯では、名残りとは昨年の秋に口封を切って取出し、茶臼で挽いて使い始めた葉茶が茶壺の底に残り少なく寂しくなって来た、というこの季節の情景をまず言います。また、夏の太陽を一身に受けて咲き誇った多くの木槿達も、今や小さな花を残すのみとなり、野の花も勢いを失い、打萎れて寂々とした姿を見せています。夏の季節の花達にとっても名残りと言えます。しかし、そんな中にも枯草の中に健げに咲く吹上菊を見つけてほっとさせられます。
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