内玄関の莨盆
玄関の朝は雨戸開けから始まります。家元の建物にはすべて木の雨戸があり、まずそれを開けます。沢山の茶室があるので雨戸を開けるだけでも20分くらいかかります。それを終えると次は掃除です。家元における所業は掃除に始まり掃除に終わるとも言えます。はたきをかけ、箒で畳の部屋を畳の目に添って掃きだし、稽古や行事の前は必ず雑巾がけをします。その後、内玄関と呼ばれる玄関に莨盆(たばこぼん)の用意をし、炉の時期には火鉢も一緒に整えます。炭をおこし、灰を押さえることが、炭火や灰の扱いを習熟する修練になります。