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大徳寺山門 |
伝燈とは仏の法燈(仏の心)を受け継ぎ伝えていく事であります。歴代の祖師方は的々相承といって仏の心を悟り、それを相い受け連綿と相い伝えて参りました。大徳寺ゆかりの先人達の偉業をたずね、未来永劫に伝えて行く事は現代に生きる我々の使命なのであります。一器の水を一器に移すが如く、余さず欠さず相い伝えていかねばなりません。 よく茶席に「松樹千年翠」という書が掛けられているのを見かけます。松の木は千年もその色を変えず亭々と枝を繁らせ栄えている、とされております。大徳寺にも松の木が植えられております。それは山門の境致と共に紫野の仏法が色や姿を変えず何時までも栄えるようにという願いからです。 先き程の所で申したように大徳寺の仏法と一体化した茶の湯は日本文化の精華であります。茶禅一味の茶道は日本文化の花です。ですから「和敬静寂」の精神を体とした日本文化をズーッと後世に伝えていかなければなりません。利休居士の大成された侘び茶の精神を忘れず、色を変えることなく美しい立居振舞いを何時までも伝えていって下さる事を心から願っております。
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