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昭和30年 同門会大阪支部 第1回展観「歴代家元の筆跡」展風景 |
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さて第二次大戦という苦難を乗り越えて、昭和29年(1954)に同門会大阪支部が結成されました。その頃は即中斎宗匠も直接講習のご指導に見えられました。また同門会支部発足時の支部長はご先代の和田久左衛門様、副支部長が祖父貴一、理事と世話方には、小林一三氏・白井貫二氏・錢髙久吉氏などの数寄者の方たちや坂田作治郎氏・太田幸次郎氏・小田栄作氏・砂元吉氏などの道具商の方たち、その他には木村一弥氏・薗部連八郎氏・八幡豊三氏・父貴道などの茶道教授者が名を連ねています。まさに「数寄者・道具商・茶匠の三位一体」が大阪の茶の湯の特色でした。翌30年(1955)には大阪支部恒例の茶道具展観も始まり現在に至っています。そして昭和49年(1974)には20周年式典、平成16年(2004)には50周年式典も催され、私も50周年記念誌「澪標」の編纂に関わり、しみじみと表千家の歴史と多くの先人の努力を感じました。かつて大阪の茶の湯には凛とした厳しさがありました。しかし時代と社会が一変し、現在茶道文化も厳しい状況に直面しています。ただし私は「茶の湯は人づくりの文化」だと信じています。茶道文化は生涯学習や教育の場に今後無限の可能性を秘めていると思います。私は生涯学習や学校茶道、地域貢献のための茶会を大切にする時代が来たと思います。幸い長男も大学で茶道部の指導を始めるようになりましたので、表千家茶道の発展のために親子で今後も努力を続け、茶の湯を楽しみたいと思います。 |