露地口から中へ入ると、そこは幽玄の世界である。
この場所を外露地(そとろじ)
という。外露地に対して、内露地(うちろじ)という言葉がある。
家元の露地は、中門(ちゅうもん)を境に外露地と内露地に大きく分ける二重露地の構造である。外露地は一つで、それぞれの茶席前の露地を内露地とよぶ。
さて千家の外露地が意外に狭く感じるのは、外腰掛のすぐ前に、中潜(なかくぐり)という中門があり、視界を妨げているからであろうか。この中潜は古田織部の工夫と伝えられるが、杉皮葺きで幅一間半程、右側に約四尺四方の茶席の躙口(にじりぐち)のような板戸のくぐりがある。反対側は下地窓(したじまど)があり、左右の調和が取れている。
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