実は6月頃から使われる干菓子であります。
短冊形の白のせんべいに砂糖蜜を刷毛でサッとかけただけ。砂糖の白の印影だけで瀧が浮かび上がってくる趣向で、その時々のハケの使い方で一枚一枚趣きが異なってきます。それに青楓の押し物を添えることで、雄大な瀧の流れを思い浮かべます。
この頃は具象的な形の菓子が多く、忠実なスケッチの様な菓子が多く見られます。如何にもという菓子は含みがなくおもしろみがありません。この背景には、購入者のセンスが拘わっていると思われます。色々と話が膨らむものでなくてはなりません。そして何より大事なのは薄茶を引き立てる菓子の味です。飾り菓子の作り物ではありません。茶を楽しむ亭主が選択眼を鍛えれば自然菓子の品質も向上するものです。
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