京の街の餅屋では道明寺を使って表面がブチブチとなっている餅菓子をうずら餅といいます。鶏の羽を取り去った皮の表にはその穴のあとが凹凸になっています。よく鳥嫌いの人はこのために鳥を口にしない人が多い様です。如心斎も鳥肌がお嫌いであったと聞いています。従って如心斎好のうずら餅は、スムーズな餅皮で出来ています。うずらのような楕円形をして、中央に焼き目の筋が入っています。如心斎の祥月命日に催される「天然忌」には、この菓子が用いられます。
千家茶の湯を、利休居士の感性を頼りとして、オーソドックスな本流として定着させ、揺るぎない基礎を築かれたのは、如心斎であります。その功績を特に讃えて天然忌が催されます。
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