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啐啄斎筆 蕪の画賛
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初夏に翡翠に輝く若葉もこの時期には、軒先にて落葉として箒にて掃かれます。その情景を目にした時「寒山捨得(かんざんじゅっとく」が頭に想い描かれます。巻物を持った寒山、箒を持った拾得。そこに豊干(ぶかん)と虎が加わり「四睡の図」ともなれば禅の境地を感じ、12月ならではないでしょうか。そんな厳しい時期にこの掛物を拝見すると心が和み温かみを感じる気がします。
雪霜に 身をあたゝめて 大こんハ 千とせをのふる 薬なりけり
かぶらとも 柿とも見へぬ 一筆は 心ごころの 数寄の楽しみ
この詩も掛物として家元に伝来されています。「雪霜に…」は如心斎筆の大根画賛になり祖母の久田宗寿宛に贈ったとされ孫からの心配りを感じます。「かぶらとも…」は啐啄斎が幼少の頃に描いた蕪の画に後年賛を書き加えたものになります。
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