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茶の湯の歳時 夏至
鮎画賛
即中斎筆 鮎の字 笹の絵 即全画
しとしと小雨のふる中。「さんさ時雨」の歌詞にも見える梅雨独特の雨に、雨音がすると、小さい頃雨の中を、傘をさしながら、口遊(くちずさ)んだ唱歌も思い浮かびます。

  雨ふりてこの さめか井ハ にこるとも 
     浮世の中ハ なとかにこらし

こちらは、如心斎が画賛に写した、利休の詠まれた歌です。雨が降ると川の水は濁ります。醒ヶ井(さめがい)は京都醒ヶ井六条の地にあった利休も茶会に用いた名水の一つ(ひとつ)。どんな名水であっても雨が降れば濁ります。それは自然の摂理であること。その情景と世の中を重ね合わせ、どんな名水もいつかは濁るといった嘆きかもしれません。

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