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この時期には、そろそろ夏の食材が美味しくなります。 向付は細魚(さより)と大葉を細切りにし、和える。お椀は6月に因み、ごま豆腐に軟らかく炊いた小豆を入れて固めた水無月豆腐。輪切りの瓜を添え、すまし汁にて頂く。 陛下のご成婚(平成5年6月)の時期。焼物はやはりお祝い料理の鯛。から蒸も良いものです。或いは鮎の塩焼き。大きさは10センチ位が理想でしょうか。そちらにお粥で溶いた蓼(たで)酢をかけてさっぱり頂くのもよし。 炊き合わせには塩茹でした鯛の子を酒と味醂で煮立て、だし汁・砂糖を加え、落し蓋をして煮たものに木の芽をのせ、馬鈴薯(ばれいしょ)を添えてはいかがでしょうか。馬鈴薯は、普段はみそ汁の具材などに用いられますが、すりおろしたものを丸めて油で揚げ、甘辛く炊くのも良いかもしれません。八寸には山の物として青梅をお砂糖で丁寧に煮詰める。海の物は烏賊(いか)に雲丹(うに)を溶かした物を刷毛で塗り表面を炙る、烏賊の雲丹焼なども良いものです。
雨が降れば、川の水は濁ります。しかし、濁った水もいつかは必ず清水に戻る。同じく降っていた雨もいつかは止みます。雲の隙間より陽が差せば間もなく夏を迎えることになります。
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