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まもなく盛夏を迎える頃、時を重ねる毎に日差しがつよくなります。茶事も朝茶にてもてなす方も多いと思います。少しでも涼を感じていただきたい。或いは弱りかけた身体を労る為の懐石を、と亭主は考慮します。 今と違い保存方法が少なく、痛みが早いこの時期。献立では、生魚を避ける習わがあるとされています。向付には蒸アワビの薄造りなどは如何でしょうか。添えに南瓜(かぼちゃ)を細切りに。汁は茄子の素揚げに赤出汁。隠し味に柑橘系の汁を少し絞ってもいいかもしれません。焼物は鱧(はも)。骨切りにして、表面を軽く炙る。少し焦げ目があると香ばしく感じます。こちらに梅肉を添える。八寸には泥鰌(どじょう)を揚げたものを海の物に。山の物は白瓜の浅漬けなどは如何でしょうか。
現代は温暖化に伴い、昔と比べると暑いといわれています。しかし、温度の差はあれども、昔も今も暑いことには違いありません。暑さを忘れることや誤魔化すことは、現代と同じく出来なかったのでしょう。少しでも「涼」を感じる工夫、そして、サッパリした中でも体力を付ける工夫が必要に感じられます。
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