二月の松風楼
玄関は家元内のお茶に関する諸用件全てを手伝います。玄関の一日は、全てが茶の修行です。
茶席内の点前の稽古は、家元内の一日の修行から見ればわずか1部分に過ぎず、一日を通じ、「茶の道」に自らを馴染(なじ)ませ、全人的な修行を要求しているのが、家元の玄関です。玄関の一日を見る時、茶の道がその修行者に求めるものがいかに広く、深いものであるか。家元での要務はお家元から直接指図を仰ぎ、ほかに決まった規則もありません。先輩格に当たる玄関が行うことを、見て学び、それを反復することによって、要務の全体をおのずから習得していきます。