表千家不審菴：静聴松風：千宗旦の逸話から－竹花入のこと

お公家さんばかりでなく、時の皇后陛下である東福門院も宗旦の竹花入のファンでした。宗旦は東福門院に4本の花入を献上します。禁中から献上せよと御下命があっても、いざ献上されてくると、ご覧になったあと誰かに下賜してしまうのが当時の慣行でした。ところが東福門院はいずれの花入も大事にお手元に残しました。これを聞いた宗旦は息子への手紙の中で、「こんな名誉なことはない」と大喜びしています。
今日不審菴に伝わる東福門院御製の縫絵(ぬいえ)は竹花入の御礼に宗旦へ下さったものです。