今回、静聴松風に寄稿のご依頼をいただきました。私はたいして語るべき話も持たないのでありますが、茶道と禅について少しご紹介させていただきます。
当寺はとんち和尚一休禅師の晩年過ごしたお寺として知られております。一休寺と呼ばれることが多いですが、酬恩庵というのが正式な名称となります。もともとは鎌倉時代、中国から日本に禅を伝えた南浦紹明(なんぽじょうみょう・大応国師)が創建した妙勝寺がはじまりであります。一休禅師は諸方を行脚する中でたびたびこの寺に立ち寄っていたそうですが、63歳の時、ついに荒れていたこの寺を再興します。そして開山堂に大応国師の木像を安置をしてまさに大応国師の恩に酬いるためと酬恩庵と名付けられ晩年をこのお寺で過ごされました。
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