寒天を用いたお菓子は「錦玉羹」や「琥珀羹」、「琥珀糖」と呼ばれるもので、いずれも透明感そのものを楽しみ貴重な味であった砂糖の美味しさを味わうものです。砂糖の甘いという「美味しさ」を食べるもので、充分に甘いと感じさせながら甘いというよりも「美味しい」と感じてもらうように作るのが菓子屋の腕であります。貴重な砂糖を多量に使うものですから非常に高価なお菓子でありました。
「葛焼き」や「琥珀羹」のような「切る」という仕事の入ったお菓子には、その「切り口」の美しさも味のうちに入る「むつかしい」お菓子であります。「切る」という単純な仕事にも「腕」の冴えを見せなければならないのです。そして食べるひともその切り口の美しさを感じ取るのも楽しさの一つです。
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