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祖堂前の蹲踞
小さな自然石をちりばめた山路を下ると、祖堂の前に出る。石橋の下を流れていた空堀の行き着くところが、この祖堂前の大きな蹲踞(つくばい)である。 かつて利休の聚楽屋敷内にあったと伝えられている、直径が1メートル以上もある御影の丸い蹲踞が、羊歯(しだ)や木々の下草に埋もれるように据えられている。 竹の粗末な半蔀(はじとみ)をくぐり空堀の石橋を渡って山路に見立てた小道を進む。 いよいよ町の雑踏から森閑とした山居に身を委ねたその時、足下の空堀の終るところに苔むした蹲踞が出現する。
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