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而妙斎 平成27年(2017) 喜寿茶事より 向付 鯛つくり 鯛茶付けのたれをかけて 山葵 防風 芽ねぎ 白胡麻 |
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開炉を迎え、様々な気持ちで客を招いたりする事でしょう。11月も山の物が美味しい時期です。山々は勿論ですが街並みを黄色く彩る銀杏。実は丁寧に下処理を行い調理すると、葉と同じ黄金色、或いはそれより鮮やかな翡翠色を発します。松葉にさし、海の物、カラスミや鮑などと共に八寸で出しては如何でしょうか。千鳥の際には少し塩分のある肴が杯に注がれた燗(かん)を進ませてくれます。或いは山の物としてムカゴや長老喜(ちょろぎ)なども良いかもしれません。 茶人の正月と呼ばれるこの時期、懐石はお目出度い取り合わせも良いでしょう。向付には鯛、昆布締めに醤油をたらしたスダチでも良いですが、而妙斎宗匠がお茶事で振る舞われた胡麻の効いた濃い味付けで頂くのも良いでしょうか。お椀は、海老の真薯(しんじょう)やうずら団子に人参や柚子などを添える。真薯はすり身と繋ぎのイモ類だけを使いたいものです。お鉢は子芋や海老芋などの山の物、焼穴子や車海老に湯葉、出来れば少し贅沢に百合根などを包んだ東寺湯葉はいかがでしょうか。また進肴に小茄子を胡桃で和えた物を。酢の物にはた、解禁を迎えた蟹をふんだんに用いてホウレン草と菊の花びら、そして酢を和える。 晩秋の頃寒さますます感じる頃になります。山々の恵みと共に子芋など温かい一品があれば、ほっこりした気持ちになり懐石の後のお茶がより楽しめるのではないでしょうか。
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