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8月は猛暑が続き、心身が弱まる頃です。汗を流す方も多いので、味付けの濃いものが好まれます。向付には旬のキス。そのままの薄造りでもよいのですが昆布に巻いたものもよいのではないでしょうか。ねかせることで昆布の味が切り身全体に染み渡ります。昆布を巻いたことにより独特の粘り気も生まれますが、醤油よりも柑橘系の酢でさっぱりと頂きたいものです。 お椀には蓮根を摺りおろし蒸したものを椀種に、針生姜を上に乗せ、濃いめの葛餡をかけて頂くのもよいのではないでしょうか。汁は以前にも紹介しましたが、茄子の素揚げに赤出汁の味噌汁。味付けも少し濃い目にします。隠し味に山椒を一つまみいれる。茄子は瑠璃色に上がると最高です。或いは揚げたての茄子の表面を薄く剥いで、翡翠(ひすい)色の具にするのもよいかもしれません。
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覚々斎 享保8年5月13日の懐石
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