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了々斎好 打合盆
 元は、了々斎が紀州侯より嘉祥の祝いで拝領した菓子の折敷で、大を朱、小を黒の漆で塗り、大の裏に小を貼り合せて足にし、干菓子器とした。
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底 了々斎花押
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また16日には嘉祥祝いの日があります。平安時代・嘉祥年間に始まったとされ、現在は和菓子の日とされています。民間では嘉祥喰(かじょうぐい)といい、御所では7種の菓子や餅を奉納したり臣下に配ったりしていたようです。江戸時代では将軍家より16種の菓子を臣下に配していたようです。了々斎の頃には一度は中断していたこの嘉祥祝いの日が再開されます。江戸に於いて徳川治宝(はるとみ)公より拝領しました。その事を記す道具として打合盆が今でも家元に残っております。 30日には夏越の祓いが行われます。無病息災を祈り、茅の大きな輪を潜る事が習いとなり、家々では茅巻(ちま)き(粽)や暑さを和らげるために水無月(みなづき)をはじめとした氷に見立てたお菓子を食する習慣が残っています。京都では今でもこの日だけ水無月を作る菓子屋があります。
梅や杏の実も熟すこの時期、范成大(はんせいだい)の「四時田園雑興(夏日)」のような雰囲気を味わうことや、司馬光(しばこう)の「夏日西斎即時」、あるいは杜牧(とぼく)の「斉安郡後池絶句」のように庭先を眺め、雨音のドラムや時折響く雷のシンバル、そしてカエルのコーラス響く中、茶室にて心を静め天然のオーケストラに耳を傾けながら一服のお茶を頂きたいものです。
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