旧暦6月の晦日に行われる夏越しの祓えに由来します。これも京都の餅屋で扱われる庶民の菓子であります。新暦では、翌7月1日を氷の一日(ついたち)と呼びます。冬から氷室(ひむろ)に保存された氷が掘り出され宮中に献上されます。夏に氷を手に入れることは、庶民には叶いませんから、そこで似た形の菓子を作り代用します。これが水無月の菓子であります。外郎などの下地は氷で、小豆などでトッピングしますが、これは保存中の木の葉などの風情をあらわした物です。7月の1日の庶民の食事に元旦から半年の経過を祝い、食膳に白いかき餅を生のまま添えます。食べられる物ではありませんが、御所のしきたりに倣って氷のかわりに置かれます。
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