本来、茶の湯の菓子ではありません。従って時期になると「餅屋」の店頭にならびます。茶の湯には菓子のみならず料理でも基本的には、食べ残しが出る串や葉っぱなどは用いません。禅宗的には出されたものはすべて綺麗に食べてしまうのが礼儀だからです。団子は串に刺してないと団子になりません。でも、焼鳥のように串をつまんで口でしごくのは、どうかという感じがします。懐紙に受け取ったあと、軽く団子を押さえて、串をくるくると回転して、ゆっくりと引き抜くと、串のみが抜けてきます。この串を楊枝代わりに団子を刺して口ヘ運ぶと、スマートにゆきます。もちろん口にくわえて野趣たっぷりに食いつくのも、花見などでは面白いことではあります。
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