世界の喫茶文化
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花所望
虎屋のキントンの内でも最も気の利いた一つであります。 笹栗と呼ぶ小ぶりの栗を中心に置き、周囲をキントンで包み、いが栗に見たてています。秋に楽しみな菓子であります。 9月の家元稽古場に使われる時、「武蔵野」と呼ばれる惺斎好大樋飴薬の食籠に盛られることが、多くあります。光悦の硯箱風のヤンポ(かぶせ蓋の菓子入れ)で、外側にはススキが全面に彫られています。秋の風情のススキが原を、京都ではよく「武蔵野」と呼び、関東では「嵯峨野」といいます。お互いに遠くを思いやる方が、風情があるということでしょうか。
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