葛饅頭を代表とする水を使った菓子は、酷暑の最中に安らぎを与えてくれます。
一方、この菓子を作る側からすれば、真夏に葛を扱うのは大変なことであります。葛を手の上に取り、餡をのせて、饅頭にするには、葛が十分に熱くて、柔らかくなければ、形になりません。手のひらが、まさに火傷寸前の状態でつくられます。それも数が多くなると時間もかかり、汗だくの仕事になります。
使う時に30分程のみ冷蔵庫に入れて冷やします。葛は長時間冷やすと、白く濁ってしまいます。
夏の暑気払いの涼しい菓子も、暑さに耐えた職人さんの苦労の末に、出来たものであることも、十分に味わってみることが、必要です。
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