世界の喫茶文化

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茶人のことば

表千家の茶事

内弟子「玄関」の一年

四月 三八稽古

五月 初風炉

六月 梅雨の頃

七月 夏を迎えて

八月 残暑見舞

九月 初秋の候

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茶の湯の歳時

茶の湯の菓子

茶室への誘い

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花所望

八月 残暑見舞
五山送り火

五山送り火

京都のお盆は12日の迎え火から16日の送り火まで5日間あり、お盆中は家元とお付き合いのある和尚様や僧堂の雲水さん、住職を兼ねている内弟子が来られて家元の奥の仏間で読経をして下さいます。和尚様方の来られる時間は決まっていなく、重なる時は仏間の手前にある七畳敷でお待ちいただき、読経後は涼しくした洋間で一服していただきます。その時に「ゆうなぎ」という即中斎の奥様が好まれたお菓子をだします。内弟子も相伴させていただくのですが、甘く素朴な味で何かしら懐かしい感じがします。
12日までにお盆に使う蝋燭(ろうそく)や線香、迎え火や送り火に使う麻幹(おがら 皮をはぎ取った麻の茎)や炮烙(ほうろく)の手配をしたり、香炉や蚊取り線香、扇風機等の準備をします。迎え火当日には、仏間や七畳敷など奥の部屋を掃除して、髙松宮家と三笠宮家から拝領したぼんぼりを組み立て、香炉、花や掛物の準備をします。夕方になると宗匠方ご家族が出てこられ、玄関裏の庭に用意した炮烙に入れた麻幹に火をつけられ、ご先祖様を迎えられます。そして麻幹の火が消えると、御家族の皆様は仏間へ移動され読経されます。16日の送り火は先に仏間で読経され、そのあと麻幹に火をつけ、ご先祖様を送られます。宿直の玄関も一緒に立ち会わせていただくのですが、ご家族とこのような時間を一緒に過ごさせていただくのは本当に玄関冥利に尽きます。

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