8月は暑い最中ですので大きな行事がなく、家元ではゆっくりした時間が流れています。若手の玄関は交代でお休みをいただき遠方の者は帰郷したりするのですが、その間残っている玄関は風炉の灰スリや秋からの行事の準備等をします。
風炉の灰は、番茶で染めた灰を細かくするため、大きな乳鉢で擦(こす)って細かくします。少しの灰を乳鉢に入れ乳棒で擦っていくのですが、ずりずりと擦る音が家元に響きます。この音を聞くと、今年もこの季節が来たと感じます。故久田宗匠(尋牛斎)が灰スリの音を聞くと、「おお、やってますなぁ」と声をおかけくださっていた事が、懐かしく思います。