 箱炭斗
さて、5月6日は立夏に当たります。この日を境に家元では炉から風炉に変わります。
まず5月3日の稽古が終わると畳屋へ連絡し、点前座を炉畳から一畳の畳に替えてもらいます。去年からの青味を残している畳は、他の畳の色に比べると、青さが目立ちます。如心斎の句に「炉のあとは一畳青しほととぎす」があります。これは畳替えをする時期にほととぎすが鳴く声を聞くにつれ、季節の移り変わりを感じるということです。 家元では4ケ所ある炉の灰を上げ、灰小屋にある樽へ戻します。濡れ灰も天日で乾かして樽へ戻し、五徳は湯通し、炉縁は湯拭きして乾かします。箱炭斗(すみとり)や炭切溜の中身も炉から風炉の炭へと替えます。炉の炭と比べると風炉の炭は小さいので、箱炭斗には炭がたくさん入り、少し入れ方が替わります。
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