表門の敷石(大火後、円融社により敷設された)
今年の上半期は開催を控えられましたが、月の半ばには円融社(えんゆうしゃ)の稽古があります。明治39年1月25日の夜、表千家から出火し、表門、供待、祖堂、蔵を除く全てが焼失しました。その後に千家の復興を願う多くの人々で、円を融する会として円融社が設立されました。100年以上の歴史があり今日(こんにち)まで続いています。
年に8回ほど稽古があり、三、八稽古では行われない相伝の稽古もされるので、来られる方も多く、用意する道具はいつもと違います。前日には掃除をし、建具を外し、季節の茶碗や食籠を数個出し、荷物棚を準備したりします。そして当日の朝、宿直の玄関は松風楼に掛物と花を生けさせていただくのが習いとなっています。若手の玄関が自分の選んだ掛物、花、花入で表現できる少ない機会なので、担当の年長玄関に確認してもらうのですが、緊張します。また寄付で呈茶をします。多い時には100人以上の稽古人が来られ、その呈茶を数人で行うので、手際よくしないといけません。最後の点前はお家元自ら座られます。その時数名の若手玄関も点前を拝見させていただくのですが、非常に勉強になります。