
正月と利休忌、天然忌と、年に3回、京都・表千家会館の入口に花を活けさせていただいています。2メートルぐらいありますでしょうか、大きな飾花(しょっか)は、私の祈り。今年(平成19年)の正月には大王松(だいおうしょう)の飾花、利休忌には烏木蓮(からすもくれん)の飾花。天然忌は、沖縄の阿檀(あだん)の実を使いました。人の頭くらいある実ですから、驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
私は24歳からお茶を習い、26歳で「光悦会」の会員にさせていただき、今年で古希を迎えたわけですから、もう46年。思い出すのは、はじめての大きなお茶会。昭和49年、東京不審菴茶会で釜をかけさせていただいたときのことです。13代家元即中斎宗匠を前に、どれだけ冷や汗をかいたか。今思えば、何もかも教科書通り。私も、何と初々しかったことでしょう。
その後見をしてくださったのが、私の師である原久子さんでした。徹底的に基本を教えられ、ことに掃除の大切さはどれだけ言われたことか。けれど、モダンで、心が自由でいらした。もし表千家と、原さんと出会うことがなかったら、私の今の花はありえませんでした。
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 栗﨑 曻(くりさき のぼる)氏 |
飾花の会主宰
昭和12年
福岡県に生まれる
昭和40年
表千家不審菴入門
昭和53年
エリザベス女王陛下ご夫妻来日の際、英国大使館の飾花を担当
平成10年
表千家北山会館にて「花との睦言」「散華」公演
令和2年
8月にご逝去されました
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