今でも、いい竹を求めるのは大変です。いい竹があるという知らせがあると全国どこへでもまいります。竹を切るときは必ず見に行きます。竹林に入り、実際にこの目で確かめて、切る竹を選びます。
切るのはだいたい4年目くらいの竹です。それより若いと柔らかく、それ以上になると硬くなりすぎます。10月ごろに切る竹を選んでおいて、11月ごろに切ります。そのころは一番水分が少なく竹が乾燥していて虫が入りにくいのです。この時期は昔にくらべると少し遅くなっているようです。これも地球が暖かくなっているからでしょうか。
その後、竹を生えていた時と逆さにしてふた月ほど乾燥させます。それから火であぶって油抜きをし、さらにそれから4年間寝かせます。その間に虫が入ったりカビが生えたり、割れてしまったりするものがありますが、それらを取り除いて吟味していきます。それから手を加えていくのです。
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