
先代のお家元即中斎宗匠と私の父鈴鹿隆信が旧制京都一中で同級生でして、大変親しくさせていただきました。父は即中斎宗匠のことを大変尊敬しておりまして、いつもお誘いをいただいては、喜んでご一緒させていただいておりました。
私の家では私が子供の頃から毎朝母がお茶を点て、父をはじめとして家族皆でいただくというのが当たり前の習慣となっていました。父が即中斎宗匠と仲良くしていただいていたおかげと思っております。
即中斎宗匠が昭和54年に亡くなられ、父は大変がっかりしておりました。翌55年に父も亡くなりました。私は父の会社を継ぎ、而妙斎宗匠もお家元をご襲名なさって、父が存命の時と同じようなお付き合いをしていただいております。
現在も当時の習慣が続いており、妻が母に代わってお茶を点ててくれ、娘とともに朝の一服を楽しんでおります。一日の中のほんの短い間ではありますが、ほっと息をつくことのできる掛け替えのない瞬間です。
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