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お茶とともに毎日私が欠かさない事としまして、当社のお菓子の試食がございます。
お土産物としてすっかりお馴染となりましたあん入り生八ッ橋は、表千家様との関わりで生まれたものでした。
祇園祭の宵山の日、八坂神社でお献茶がございます。その協賛席として一力(万亭)での茶席を而妙会が担当されます。而妙会とは京都の数寄者がお家元を囲んでお茶を親しみ楽しむ会で、即中斎宗匠の頃は即中会と言っておられ、父も入れていただいておりました。昭和三十五年、この席のお菓子に「生八ッ橋であんをくるんだものはどうだろう」ということになり、生まれたのがあん入り生八ッ橋です。当初、あんはこしあんで、「神酒餅(みきもち)」という銘を頂きました。鈴鹿家が吉田神社の社家でしたので、神社に因み、また即中斎宗匠と私の父は飲み友達でもあり、父が大変お酒を好むものでしたため、お酒にも因んだ銘をつけ楽しんでおられたようです。
「神酒餅」は大変ご好評をいただいておりましたが、本来の八ッ橋としては道に逸れるのではとなかなか一般にはお分けいたしませんでした。後にあんをつぶあんとし、包み方も変えて「聖」という名にて今日に至っております。
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