且座喫茶という言葉がございます。私の名前の且という字が入っております。「まあ、しばらく座ってお茶を飲もうよ」という意味だと伺っております。あわただしい日常の中で、少し立ち止まって一呼吸をおく機会を幸いにも持つことが出来るというのは、有難いことです。
毎日欠かさずお茶をいただいていると先に申しましたが、一日欠けるのは簡単なことです。たった一日と思われるかもしれません。
ただ、この毎日欠かさずということにこそ意味があると私は考えております。お茶をいただく瞬間瞬間、気分によっても体調によっても、季節によっても天候によっても、お茶の味は変わります。毎日いただくことによって変化の機微を読み、それを楽しむ。こうして続けていくことで、一つでも多くのお茶の味を楽しむことが出来るのでは無いかと考えております。
八ッ橋が生まれて三百二十二年。続けることの大切さを感じる毎日ですが、お茶の習慣から学んできた日常を積み重ねるということを胸に、仕事にも人生にも臨みたいものです。
|