表千家様との関わりでもう一つ申しますと、私どもの毎年の行事「八橋忌」があります。
八ッ橋は元禄二年、箏の名手であります八橋検校の没後に、葬られた京都の黒谷金戒光明寺常光院に参詣に訪れる人々へ、検校に因んだ琴の形の干菓子に「八ッ橋」と名付けて聖護院の森の茶店で売り出したのが始まりと言われております。
このことから八橋検校を偲んで命日であります6月12日に、常光院に墓参をし、法然院にて「八橋忌」を営んでおります。琴の演奏や歌舞伎の奉納など、様々な方にお力添えをいただき、またお越しいただく沢山のご参列の皆様に、お茶を点てお迎えいたしております。はじまりの年であります昭和二十四年から即中斎宗匠にお出ましいただき、現在も引き続いて而妙斎宗匠にもご参列いただいております。
彼是六十年余り欠かすことなく執り行っておりますが、当社のはじまりでもありお名前をお借りさせていただいている八橋検校への弔いの心、また日頃お世話になっている皆さまへの感謝の心を忘れてしまわないよう、これからも大切に続けていきたいと思っています。
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